軽く書くつもりが、やっぱり入魂の長文記事になりました。
そりゃ「何事にも全力投球」のヨジャチングですもの。
書きたいことも数多く加わってきます。
それでは行きましょう。
これをやらなければ、ヨチンの「Navillera期」は終われない。
ヨジャチング
「Navillera」総評(まとめ)
「そのA
タイトル曲&アルバムレビュー」

まず初めに、音楽番組の受賞について一言・・・・
☆大記録樹立後の「次回作」の
プレッシャーを見事跳ね除けた
「Navillera」の大ヒット。
前作「シガヌルダリョソ(Rough)」は空前の大ヒットとなり
15個のトロフィー、PAK達成、さらに達成時間、
月別音源数連続1位など記録ラッシュ。
そして、今でも記録を更新し続けています。
その次回作「Navillera」は一体どうなるのか
BuddyのみならずK-popファンの注目は熱かったですね。
そのプレッシャーたるや並大抵ではありませんでした
K-POP歌番組受賞にあるパターンで
「大記録樹立後、
歌番組で連覇出来ないジンクス」
が存在します。

2009年、少女時代「Gee」の9連覇は輝かしい大記録でした。
それでは・・・・
その後に出した「Genie」はどうだったでしょう。

連覇ならず〜〜〜〜
大金星の2NE1はこれがきっかけでブレイクとなりました。

少女時代は、目の前で「胴上げ」を見せつけられてはたまらんと
欠席してボイコット。

2014年のA-PINK「Luv」(←訂正しました。「Mr.Chu」はその前です。)
SME大帝国の大スターSuper Juniorを全敗、惨敗に追い込んで
記録達成。
(この当時は「音楽中心」も受賞制度ありでした。)
SUJUが全敗なんてねぇ・・・・
もう、情けなくって、情けなくって
K-POPファンをやめようと思いましたよ(爆)
SUJUには、もう全盛期の勢いはないんですね。
それどころかSMEアイドル全体について
「音源力の低下」が目立ってきています。
新人ラッシュのK-POP界、大帝国の衰退もあるのでしょうか。

先週のミュージックバンク
Red Velvet vs イム・チャンジョン
イム・チャンジョンおじさまの圧勝〜〜
(音源数に注目。他の番組ではRVが辛うじて取りましたが
音源数では、すべてイム・チャンジョンの圧勝でした。)
話を戻して、
記録を作ったA-PINKの次回作「Remember」はどうかというと。


やっぱり、連覇ならず〜〜〜〜
ジンクスは存在するようです。
しかぁ〜〜〜〜し!!!!
我らがヨジャチングは

しっかり、
連覇させていただきましたぁ〜〜
音楽番組の受賞には音源数が大きい割合を占めています。
音盤(CD)数によって逆転することもありますが
ファンダムによる集中購入によることが多く
長期的持続力はありません。
近年、新人ラッシュということもあり、
連覇するということは非常に困難なことなのです。
巨大なファンダムの組織活動による少女時代やA-PINKとは
明かに異なるチャートのパターンをもっているヨジャチング。
シスターやIUのような「音源女王」としての性格が強いと言えます。
音源購入者層は、アイドルファンでは「ない」人も多く
アイドルに対して辛口です。
そんな人たちが、「シガヌル・・」を聴いて
そのクラシカルで美しい哀愁感に夢中になったことが、
ヨジャチングを音源強者に押し上げた原動力となったのです。
もちろん、音楽番組の連続受賞については、時の運も左右しますが
「シガヌル・・」、「Navillera」と2曲連続となると・・・・
もう実力と言えますね。
それでも、ソースミュージックのソ代表は、常に謙虚です。
「成功の秘訣は?」という問いに対して
「運がよかっただけです。」
何と謙虚なことか。
そうです。ヨジャチングはメンバーは勿論、裏方、CEO
そしてファンたち(Buddy)すべてが 謙虚 です。
無意味に多くを望みません。
「1位」という数字に対する執着もありません。
自分らしい音楽は何かを常に追求し続けるだけ。
結果は自然についてくる。
それがヨジャチングらしさなのです。
☆ヨジャチングファンには
「2種類」ある
簡潔に言えば・・・・
@「可愛い系アイドル」もヨジャチングも
似たようなものとして扱っているファン。
A「可愛い系アイドル」とヨジャチングは全く別ものであると、
強烈に一線を画すことにこだわるファン。
@のファン層は、デビュー曲「ユリグスル(Glass Bead)」の雰囲気が
少女時代に似ていたので好きになったパターン。
以降は、人気上昇と共に惰性で付いてきている。
従って、ブログ主がこだわるヨチンの「硬派的性格」や
「シガヌル」の哀愁感たっぷりのクラシックな曲調には必ずしもこだわってはいない。曲の好みは
「Glass Bead」>>「MGT」>>>>>>「Rough」
それに対してAのファン層は、アイドルよりも
TVの歌番組に登場することが少ない音源王のアーティスト中心です。
(私のようにクラシックと映画音楽中心と言う人もいるでしょう。)
そのファン層が、アイドルらしからぬ深みをもった「Rough」に新鮮さを感じ、初めて夢中で聴いたというパターンです。
デビュー曲については、「鼻にも掛けなかった」人も多いでしょう。
(何を隠そう、この私がそうでした。私がデビュー当時から夢中になったのはただ1人、一目惚れした女神ソウォンだけです。
当初は「曲よりも歌手」でした。)
従って、曲の好みは
「Glass Bead」<<<<<<「MGT」<<「Rough」
もちろん、ガチペンとなった今では、パワフルなMGTも
そしてデビュー曲ですら思い出深く、ヨチンにはなくてはならないものとなりました。
そして、大成功の「学校三部作」の後の4曲目。
はたして、「Rough」の哀愁感継続でいくのか
それとも、デビュー曲の曲調に戻ってしまうのか。
典型的なA型の私は、音源の強者に押し上げたRoughは継続してほしい。
個人的には、あの質素な制服姿で、いつまでも「初恋のお姉さま」を
演じ続けてほしいとすら思っていました。
しかし、それでは@型のファンを置いてきぼりにしてしまうだろう。
とは言え、@型はそれほどの多数を占めてはいないのではないか。
他のアイドルとは一線を画す特徴を保つためにも
MGT、Roughの曲調主体で行くべきではないのか・・・・
まるで、ソースミュージックのCEOのように
悩みすらしました(笑)
そして、4曲目の蓋を開けてみたら、何と・・・・

@型、A型、双方の期待を裏切らない
「両立した曲」だったのです!!
一部、デビュー曲の雰囲気に戻った感もありましたが
やはり「短調」だし、パワフルで哀愁感のある曲調は継続されています。
少女らしい可憐さもあり
@型のファンも満足感のいくものだったでしょう。
デビュー曲からある「学校のリコーダー」を思わせる
独特のシンセの音色も、しっかり継続しています。
「双方両立させた曲」を作るというのもかなり難しいもので、
場合によってはてんこ盛りすぎて、崩壊してしまうこともありますが
全体的に調和を保ち、まとまっています。
技ありでした。よくやったなと思いました。
☆リアクションビデオ
あのMR.Jも絶賛

アメリカのファンで、印象的なリアクションビデオを
アップしている方がいます。Mr.Jです。
いわゆるリアクション芸人のような「お笑い」ではなく
(パンチラや尻ふりで椅子からずり落ちたり、
奇声をあげたりすつやつとは別もの。)
音楽評論が中心の動画です。
自身もバンドを率いていることもあり、
音楽の専門知識が豊富。K-POPへの造詣も深く
幅広くあつかっています。
AOAの「サップンサップン」やStellarの音楽性の高さを
いち早く認め、彼女たちの音楽評論的成功をもたらした人物です。
この「Mr.J」さんが、今回のヨジャチングも熱く評論しています。
I like her voice.
A lot like how she really sticks on notes kind of like a laser
彼女(ユジュ)の声、好きだな。
音階をレーザー光線のように正確に突き刺していく感じだ。
(ありがとうございま〜す。『レーザー光線のように』って表現が
カッコいいですね。お褒めの言葉に与って、ユジュも幸せです。)
私が「てんこ盛り」と表現したことについても触れています。
It sounds a little bit overly crushed and mastering a little distorted.
Kind of with everything else about this song too.
It’s like a little overdone but I like it.
少しばかり過剰に音がぶつかり合って聴こえるし、マスタリングも
多少歪んでるかな。全体的にその感じがある。少々、やり過ぎな感じ
だけど、僕はこういうの、好きなんだよね。
(「やり過ぎ」って、好みの音楽だと、むしろ快いですよね。)
Just listen to how every single section is building into the next section while you’re still in it, you know. There’s a purpose for every chord modulation and everything else is just one thing building on another, really led to a song that flowed well throughout the entire thing.
各々の区間で、まだ聴いている間に、もう次の区間の構築が始まっている。計画的にそれぞれのコードの転調などが次々と構築されて、曲を全体的に快く流れるようにしてあるね。
(さすが、造詣の深さを感じさせる表現です。)

Check out the epic ascending chord progression here!
ここに注目!! 壮大に上昇するコード進行がある。
Here how the vocals are kind of building even and how they’re ascending.
All these little tricks of songwriting just really make the song exciting and hit a lot of emotional high points throughout.
ここで、ヴォーカルが平衡を保ちつつも、上昇している様が素晴らしい。
こういう作曲の小さな仕掛けが、歌を面白くしていて、
感動させる見せ場が数多く登場し続けるんだ。
(ここはヨジャチング初の試みですね。
毎度ながら新しいことをやってくれます。)
That guitar solo should have been at least twice as long, maybe four times longer. It’s really my only complaint about the song. It should have been more. But that was really cool.
このギターソロはもっと長い方がいいな。少なくとも2倍とか4倍位長くていいと思う。
この点だけが不満なところ。でも、素晴らしいギターソロだよね。
(いやぁ〜 なにぶんにもアイドルの曲ですから。
でも、何ごとにも「一線を画し」「常に全力投球」のヨジャチングですから、次回はマイケル・ジャクソンの「Beat it」のギターソロみたいに本格的にいっちゃってもいいかもしれませんね。)
I also like how each time it sounds like they’re adding a couple of more harmonies for that section each time through. I think what they’re doing is that they exist every time through. They’re just bringing them up a little bit and emphasizing them in the mix but that’s something that the group BOSTON used to do really effectively. They have like a similar course section or an interlude section and a song and each time through towards the end. It would build up and get more exciting in some sort of way. Either way it just like stacks it, builds upon itself. Something that was really cool and it’s something that I think just gave the song a lot more depth and musical strength.
それぞれの区間で、さらにハーモニーを加えていく感じがいいね。作曲の意図が全てにおいて存在している。少しずつ持ってきて、混ぜながら強調していく。このやり方はバンドの「ボストン」(注釈01)が効果的にやってたことなんだ。
進行区間、そして間奏区間、歌唱区間が終わりに向かって、(この歌と)似た感じで進んでいくんだ。曲が構築されるごとに興奮させられる感じ。積み重ねられ、更にそれ自身の上に構築されていく。中々クールで、曲に深みと音楽的強さを与えてるね。
(ついにヨジャチングも「BOSTON」と共に語られるとは・・・・
感無量です。)
Mr.Jさんのマニアックで専門的解説をもっとご覧になりたい方は
こちらのリンクでどうぞ⇒ Mr.Jのリアクション動画 ヨジャチング「Navillera」 但し、すべて英語で日本語字幕はありません。熱く語っているMr.Jを見るだけでも面白いかも。
☆やはり「クラシック向きに構成」
されていた新曲
MGTの冒頭にある澄んだピアノの音。
Roughのクラシック音楽のようなストリングス。
中盤にかなりのギャップがあるロックギターを登場させ
これが非常によく調和して、独特のヨチンらしい
パワフルな音色を構成してきました。
今回はどう来たか・・・・
80年代風のシンセサウンドでした。
第一印象として「違和感」があったことは確かです。
全編にくどいほど散りばめられていますが
不思議なもので、何度もリピートしていくうちに
フレーズが馴染んで、いつしか口ずさむようになりました。
なぜでしょう。
ここで特筆すべき点は、
曲自体が構成をしっかり作ってあるということです。
世界のヨチンファンで、前述のA型の方
かなりのクラシック通なのでしょう。このシンセの音をすべて消して
オーケストラにしたらどうなるか。
それをファンメイド動画で作った方がいました。
(このブログで、既に紹介済みです。)
GFriend – Navillera Orchestra ver.
やっぱり来たかという感じでしたね。
出だしはチャイコフスキーの「くるみ割り人形」を思わせる
ピチカートを効果的に使った伴奏。ウナもユジュも歌唱がしっかりしてるから十分アレンジに調和してます。そして、ホルンなどの吹奏楽器の
力強い展開の後に、弦楽器が10倍くらいの迫力で来ました。
もう感動ですよ。最後には、Roughが少しだけマッシュアップされて
見事なフィナーレです。
素晴らしいオーケストラ版のヨジャチング「Navillera」となりました。
つくづく感じます。
元々、クラシックアレンジに向いている作り方で
応用範囲が広いのです。
「アレンジ」と言えば・・・・
ここで、人気歌謡がやっていた特別企画
VOI(Voice of Inkigayo)を例に出します。

世界で話題の曲「Chandelier」を
エイリー、ソルジ(EXID)、チョア(AOA)など
実力派の歌手が歌いました。
ハイレベルな技の競演と言いたいところですが・・・・
見事に外しましたね。
久しぶりにアメリカ人K-POPブロガーの「Mさん」の本音を引用です。
「酷いな・・・・」by Mさん

チョアもソルジも「裏声を使わないHigh Notes」を声量タップリに歌う
数少ない歌姫ですが、テーマにした曲「 Chandelier 」は、Siaによる個性的歌唱で、チョアやソルジの特徴が全く生かされていません。
特に低音が多く、彼女たちには苦手なところ。
完全なキャスティングミスでした。
高音も低音も得意で、ワイドレンジなヨジャチングのユジュあたりだったら、見事に歌いこなせたろうに、と思ったものです。

そしたら何と、次の企画でそのユジュが登場!!
ジヒョ(TWICE)、ペク・アヨン、スヒョン(アクミュー)という
渋い実力派の競演でしたが・・・・
これまた、大外れ〜〜〜〜(笑)
選曲は、イ・ヒョリの「U-Go Girl」をアコースティック版で歌うというもの。いけませんね〜〜
元々、「U Go Girl」はアコースティック版に耐えられるほど深みのある曲ではありません。ダンスと共にビジュアルに楽しむには
ピッタリですけど。

歌姫ユジュの天女のような超高音から、男性歌手のような低音に至るまでのスーパーワイドレンジは全く生かされず。
何のためのアコースティック版か分からなくなりました。
完全な選曲ミスでしたね。
AOA - Miniskirt Acorstic ver.
AOAがブレイブサウンドを歌っていた頃
毎回のように、アコースティック版動画が公開され
K-POPファンを魅了したものです。
この頃のAOAはよかったですね
今聴いても、感動ものです。
(最近はやらなくなっちゃいましたね。)
どんないい加減な曲も、チョアのような歌手の抜群のセンスで
歌いこなせば、様になるだろうという安易な考えで受け止めたとすれば
それは大きな間違い!!です。
ブレイブサウンド自体のメロディに深みがあり、
アコースティック版でさらに味わいの増す、
応用範囲の広い曲だということを忘れてはなりません。
歌手のセンスはそれだからこそ生きる。
すべては曲次第だということ。
(特に勇敢な兄弟は、チョア、ユナというAOAのメインボーカルの個性に
最も適したように曲を作っていました。)
人気歌謡の「外れ企画」を例に出した訳は
もうお分かりですね。

ヨジャチングのNavilleraは
クラシック向きに構成された応用範囲の広いものだったのです。
そして4曲続けて同じ歌手と組んでいるからこそ
作曲家は、メンバーの声を想定した上で作曲するため
ヨジャチングの個性によく合っています。
メインボーカルのユジュ、ウナのみならず
第2A展開の部分が必ずソウォン担当なのも効果的です。
私が感じたシンセサウンドとの違和感も、一時的なもので
すぐに馴染んだのもよく理解できます。
重要なことは、曲そのものの適性なのです。
☆曲構成に新しい側面
「Glass Bead」「MGT」「Rough」の3曲には
共通する構造の基本形がありました。
MGTを例に、もう一度おさらいです。
GFriend - Me Gustas Tu MV Choreo ver.
(アクロバット振り)
いきなりサビ
A展開(ウナ⇒シンビ)
B展開(ユジュ⇒オムジ⇒ユジュ)
サビ 全員(特徴的ステップ「骨太、売りヌン」)
(サビ振り「メグスタダンス」)ストリングスなし
A展開(ソウォン⇒オムジ)
B展開(ユジュ⇒ウナ⇒ユジュ)
サビ 全員
ブリッジ(オムジ⇒イェリン⇒ウナ)
(大ジャンプ)エレキギターのソロ
ユジュHigh Noteシャウト
サビラスト
(サビ振りイェリンリード)ストリングスなし
今回、同じ構造で来るかと思いましたが
かなり変化を加えてきました。
ダンスプラクティス画像と共にどうぞ。
[Mirrored] GFRIEND NAVILLERA Choreography_
1theK Dance Cover Contest
(左右対称の緻密な振り)
いきなりサビなし(サビの伴奏部分)
A展開(ウナ⇒シンビ)
サビA(ユジュ⇒イェリン⇒ユジュ)寸止め
サビB(ユジュ⇒ウナ)(特徴的振り「ブッタケポーズ」)
(サビ振り「ディスコダンス」)シンセ伴奏
A展開変則(オムジ⇒ソウォン)←一瞬ブリッジと思わせる仕掛け
サビA(シンビ⇒イェリン⇒ユジュ)寸止め
サビB(シンビ⇒イェリン⇒ウナ)(特徴的振り「ブッタケポーズ」)
(サビ振り「ディスコダンス」)シンセ伴奏
ブリッジ(ソウォン⇒オムジ)
The epic ascending chord progression
(壮大に上昇するコード進行)←今回初のオリジナル
(クライマックス)エレキギターのソロ
サビA発展形 ユジュ⇒シンビ⇒ユジュ高音シャウト爆発
サビB + ユジュ&ウナのスーパーHigh Note
(ディスコダンス)シンセ伴奏
出だしA⇒Bとせずに、Aの後にいきなりサビを持ってきて
さらにそれを「サビA」「サビB」に分けて展開。
再び来るA展開が一瞬、ブリッジと思わせる技も掛けてきました。
ブリッジの後には、MR.Jさんも絶賛の「大きく上昇するコード進行」。
これは今回初の試みです。
そして、面白いのがユジュのサビの部分。
너 하나면 충분하니까〜〜!!
歌姫ユジュの超高音が冴える最後のシャウトですが
実は、その前の2つでは
하얀 진심을 담아 ☆☆←寸止め
最後の2拍ほどが消えていて「寸止め」状態。
サビAのみに注目して、もう一度、構造を見てみましょう。
A展開(ウナ⇒シンビ)
サビA(ユジュ⇒イェリン⇒ユジュ)寸止め
サビB(ユジュ⇒ウナ)
A展開変則(オムジ⇒ソウォン)
サビA(シンビ⇒イェリン⇒ユジュ) 寸止め
サビB(シンビ⇒イェリン⇒ウナ)
ブリッジ(ソウォン⇒オムジ)
The epic ascending chord progression
(クライマックス)エレキギターのソロ
サビA発展形 ユジュ⇒シンビ⇒ユジュ高音シャウト爆発
サビB + ユジュ&ウナのスーパーHigh Note
(ディスコダンス)シンセ伴奏
こうしてみるとよくわかりますね。
「寸止め」⇒「寸止め」⇒「爆発」
という3段階を踏んで、じらしながら最後の爆発を
効果的に盛り上げる技法です。
見事ですね。その後のウナとのHigh Notes共演も
非常に引き立ちます。
こうしてみると、今回の新曲「Navillera」。
今までにも増して、細かい作り込み、工夫が凝らされていて
聴けば聴くほど引き付けられるのも頷けます。
作曲家、振り付け師、演出、すべてが全力投球していて
受賞記録が連続して増えていくのも
当然の結果だったんですね。
☆アルバムレビュー
それではヨジャチング初のフルアルバムを
ザッとコメントしていきましょう。

タイトル曲同様、今回のフルアルバムは、前述の@型、A型のファン
双方ともに満足させるような曲構成となっています。
いわゆる「可愛い系」アイドルファン好みの、
少女時代のアルバムに必ず出て来そうな曲もあり、
一方で、私のようなA型のファンも満足させるクラシック音楽にも通じる
世界観が必ずしも楽観的ではない、哀愁曲もあります。
まあ、個人的好みで言えば、全部、悲壮感たっぷりにしてくれよ
と言う感じですが、それでは@型のファンを置いてきぼりにしてしまいますね(笑)
他に、EDM、レゲエ、ラップからダブステップまで、
ジャンルも多岐多様に渡っており、どんな音楽が好みでも、
必ず1曲は「お気に入り」が見つかることでしょう。
録音はVibe Studio、ミキシングがCube Studioですが
曲のプロデュースを担当したアーティストの方々の個性にあわせて
MasterPiece SoundLab(LOL)、W Studio(Compass)、
Joombas Factory USA(Click)など、
スタジオもバリエーション豊かです。
収録曲全体に言えることですが、やはりメインボーカルの
ユジュがクラシック向きの声質なので、ポップス一本やりの
他のアイドルのアルバムとは一線を画す、独特の深みのある
音色があります。
そして、ここで特筆したいのが
ヨジャチングの音色を印象付けているクラシカルなストリングス。
この演奏者が判明しました。
その名も・・・・
ユングストリング(융스트링)(注釈02)
アイドルの歌う曲のストリングスは、コンピューターの
人工的な音で済ますことが多いですが、K-POPでは
しっかりスタジオにバイオリン演奏者集団が来て
弦楽演奏部分を録音している風景をよく見かけます。
AOAチョアのソロでもやっていました。
近年のK-POPでの印象的なストリングスは、ほとんどがユングストリング
と言っても過言ではないほど、美しい音色を決定づけています。
そして、その楽長がこの方

シム・サンウォン(심상원)先生!!
バイオリンの名手、
そして作曲家でもありプロデューサーでもあるこの方。
彼の素晴らしいバイオリンソロをお聞きください。
Dentist Hongil Kim _ You _ With Sang Won Shim (Violin Solo)
何と言う澄み切った音色よ!!
ヨジャチングを音源強者に押し上げる原動力になるはずですよ。
심상원 아름다운 시절 Oblivion
こちらは、ピアソラの「オブリビオン」を先生流のアレンジで。
これもまた素晴らしい。
私の大好きなアルゼンチンタンゴ、バンドネオン奏者の曲を
クラシックアレンジなんて・・・・涙が出てきますよ〜〜
Arabella Steinbacher
そしてこちらは、Arabella Steinbacherによる純クラシックな演奏。
あ〜〜 もう、私の世界に没頭しちゃいます〜〜
・・・・って、これじゃ横道にそれ過ぎてとっちらかりますから
早速、ヨジャチングのアルバムレビューを軽く行ってみましょう。
私の音楽趣味に、常に近くにいてくれるのが
ヨジャチングなんですよね。

1. INTRO
Composed & Arranged by 오레오 / All instruments by 오레오 / Guitar 영 / Mixed by 조씨아저씨 @CUBE Studio
歌姫ユジュの「Navillera」という声、そして印象的なフルートなど
様々な楽器の多彩さを示して、期待感を抱かせますね。
前作の、まるで映画が始まるタイトルバックのような感動とは
打って変わって、いかにも「新しいフルアルバムが始まりますよ」という
イントロらしさがあります。
2. 물들어요(Fall in Love)
Composed & Lyrics & Arranged by 오레오 / Drum Programing 홍범규 / Guitar 영 / Piano & Synthesizer 김웅 / Background Vocals by 김소리 / String Arranged by 권석홍 / Strings Performed by 융스트링 / Recorded by 곽정신, 정모연 @VIBE Studio / Mixed by 조씨아저씨 @CUBE Studio
おお〜〜! 映画音楽らしさは「こちら」にありました!
出だしはもう、完全に古きよきハリウッド映画のオープニングです。
ユングストリングスの弦楽器が効いてるなぁ。
3. 너 그리고 나(NAVILLERA) タイトル曲
Composed & Lyrics & Arranged by 이기, 용배 / Drum Programming 서용배 / Guitar 영 / Keyboard & Synthesizer 이기 / Background Vocals by 김소리 / String Arranged by 권석홍 / Strings Performed by 융스트링 / Recorded by 곽정신, 정모연 @VIBE Studio / Mixed by 조씨아저씨 @CUBE Studio
タイトル曲については、すでに語ったので、ここでは
興味深い裏方演奏家を紹介しましょう。
ヨチンの立役者、イギ&ヨンベ先生。二人組はどういう「担当の分担」なのでしょう。
イギ先生はキーボードとシンセ担当。ヨンベ先生はドラム。
なるほど、曲のメロディや情感やモチーフはイギ先生、
全体の構成やテンポ、そしてアクセントはヨンベ先生だったんですね。
そして、最も印象的なギターソロを演奏して来たのは、ヨン(영)。
アルバムのギターのほとんどは、この方担当。
もう、ヨチンの「ヨン様」って呼ばせていただきます。(笑)
バックグラウンドヴォーカルが、キム・ソリ。
ヨチンのカバーを2人組のハーモニーで表現した動画が印象的でしたが
本家はかなり抑えてあります。
でも、耳を澄ますと聞こえてくるんですね。
最後のInst.で聴くと、再び感動に包まれます。
4. LOL
Composed & Arranged by 마스터키, 팻뮤직, SCORE / Lyric By 김이나 / Drum Programing 마스터키, SCORE / Guitar 이태욱 / Keyboard & Synthesizer 마스터키 / Piano SCORE / Background Vocals by 김소리 / Recorded by 곽정신, 정모연 @VIBE Studio / Mixed by 마스터키 @MasterPiece SoundLab
キム・イナ、マスターキー、SCORE、ペットミュージックなど、バンド系の音楽家たちが作った曲。いわゆるヨチンのメインである
「イギ&ヨンベ」サウンドとはひと味違う味をだしています。
個人的に言えば、いかにも@型のファン向けですね。
ギター演奏が、「ヨン様」ではありません。こちらも聴きどころですね。
5. 한 뼘(Distance)
Composed & Lyrics & Arranged by 이기, 용배 / Drum Programming 서용배 / Guitar 영 / Keyboard & Synthesizer 이기 / Harmonica 임진철 / Background Vocals by 김소리 / Recorded by 곽정신, 정모연 @VIBE Studio / Mixed by 신재빈 @CUBE Studio
末っ子のオムジがお気に入りのこの曲はレゲエ。
イギ&ヨンベ先生による、意表を突いた別ジャンルの曲。
先生たちも、4曲も連続してヨチンを担当すると、
さすがに新鮮さを求めて冒険をしたくなるようです。
フルアルバムの収録曲としてなら、好ましいでしょう。
ユジュやウナ以外のパートが多く、メンバーの個性を楽しめる一曲です。
ハーモニカの音色が効いてますね。
演奏はイム・ジンチョル。
6. 물꽃놀이(Water Flower)
Composed & Lyrics & Arranged by 오레오 / Drum Programing & Guitar 홍범규 / Bass 김예일 / Piano & Synthesizer 김웅 / Background Vocals by 김소리 / Recorded by 곽정신, 정모연 @VIBE Studio / Mixed by 조씨아저씨 @CUBE Studio
軽快なドラムに涼し気なディストーションギター、そしてシンセ。
いかにも真夏の湘南の海岸線道路で流すカーステレオに似合いそうですね。夏のアルバムに季節感を出したという感じ。
万人のニーズに答えるのもアイドルの仕事。(笑)
エンディングでユジュの歌声が演奏音と同化して
フェードアウトするところでは、思わず「お見事」と叫びます。
7. Mermaid
Composed & Lyrics & Arranged by 미오(MIO) / All instruments by 미오(MIO) / Bass 최훈 / Guitar 영 / Background Vocals by 김소리 / String Arranged by 권석홍 / Strings Performed by 융스트링 / Recorded by 곽정신, 정모연 @VIBE Studio / Mixed by 곽정신 @VIBE Studio
我が最愛の女神、ソウォンが一番のお気に入りがこの曲。
アンデルセン童話の中で最も悲劇的な物語「人魚姫」をモチーフに
私好みの哀愁感が全体に漂ってますね。ソウォンにぴったりのイメージ。
中盤に「Rough」とそっくりなフレーズが出てくるので、てっきり
イギ&ヨンべ先生の作曲と思いきや、MIOによるものでした。
でも、ギターやバックグラウンドコーラスなどは、イギ&ヨンベ組で
占められているので、MIOさんは弟子であると思われます。
前半の情感あふれる「静」の部分、そして、後半の展開では
ヨジャチングの個性的なボーカルが上手く組み合わさって
まさに、歌唱力の競演と言う感じです。
シンビとオムジもドラマOSTを歌い、歌唱力のヨジャチングが
これからも活躍しそうですね。
8. 나의 일기장(Sunshine)
Composed & Lyrics & Arranged by e.one / All instruments by 정호현 / Keyboard EJ.SHOW / Background Vocals by 금조 / Recorded by 곽정신, 정모연 @VIBE Studio / Mixed by 조씨아저씨 @CUBE Studio
ジャンルはR&B。808サウンドソースのエレクトロニックリズム、
そしてアコースティックピアノの調和。
作曲者は、今回のアルバムの最高傑作「風に吹かれて」を担当したe.oneです。宇宙少女の「Secret」など、少女の可愛らしさに哀愁感をキラリと光らせるのが上手い。
ヨチンの次回作の作曲家としても、有力候補になるかもしれませんね。
9. 나침반(Compass)
Composed & Lyrics & Arranged by ZigZag Note, 레트로펑키 / Drum Programing 오지훈 / Guitar 노은종 / Synthesizer 김정윤 / Background Vocals by 김소리 / Recorded by 곽정신, 정모연 @VIBE Studio / Mixed by 조준성 @W Studio
デビューアルバム「Season of Glass」の収録曲「Neverland」担当の
ジグザグノート作詞作曲です。ソウォンのラップが印象的でした。
ただ・・・・
私は個人的にソウォンにラップを担当させるのには反対です。
彼女にはクラシック、ジャズなどの、他のアイドルがやらないジャンルで
トレーニングを積み、彼女独自の歌唱を実現してほしいです。
と思っていたらこの曲、ソウォンのラップは・・・・ありませんでした。(^o^)
10. 찰칵(Click)
: Composed by Hyuk Shin, Mrey, DK / Lyric By MAFLY / Arranged by Hyuk Shin, Mrey / Background Vocals by 김소리 / Recording Direction by Maxx Song / Recorded by 곽정신, 정모연 @VIBE Studio / Mixed by MRey @Joombas Factory USA / Original Title : Baby I / Original Writers : Hyuk Shin, MRey, DK / Original Publisher : Joombas Co., Ltd / Sub-Publisher : Universal Music Publishing Korea
楽し気なラップの合唱。
ミディアムテンポPOP、そして1990年代サウンド。
いかにもチアガールが歌うと似合いそう。
さらに、少しだけカントリーウェスタン調も入っており
いかにもアメリカンです。
サンタモニカを歩いたヨジャチングを思い出すなぁ。
出だしが、元少女時代のジェシカのソロ「FLY」を連想しました。
デビュー当時、シンビがジェシカに似てるなんていわれていた頃を
思い出しますね。
11. 바람에 날려(Gone with the wind)
Composed & Lyrics & Arranged by e.one / All instruments by 정호현 / Guitar 정수완 / Keyboard 호현 / Background Vocals by 금조 / String Arranged by 권석홍 / Strings Performed by 융스트링 / Recorded by 곽정신, 정모연 @VIBE Studio / Mixed by 조씨아저씨 @CUBE Studio
この曲だけタイトルを大文字にさせていただきました。
収録曲の中で最も感動した、大好きな曲です。
「辛く悲しいことをすべて風に乗せて、その風が戻ってくるころは
幸せになっているだろうか・・・・」
悲しみを乗りこえて、強く明るく生きようとする少女。
しかし、心の傷は決して癒えることはない・・・・
この世は辛いことに満ちている。
決して楽観的ではないヨジャチングの世界観。
傑作曲「Rough」は、この曲で受け継がれていたとは。
前アルバムで「Luv Star」のような愛らしい曲を書いていたe.oneが
よくぞ、このような曲を書いたなと、感心しました。
後半のユジュの澄み切った高音の歌声が心に沁みて
思わず感激の涙がこぼれます。
パワフルなリズムにクラシックなストリングスがいつもながら
効いていますが、間奏部分で「ダブステップ(Dubstep)」サウンドが
登場するのが独創的です。
人間の唸り声のようなグロウルベースが効果的。
用語解説
ダブステップ:2000年代前半にイギリスのロンドンで誕生したベースミュージック、またそこから発展したエレクトロニック・ダンス・ミュージックの一種。太いベース音と、リバーブのかかったドラムパターン、細切れにされたサンプル音などを特徴とする。
12. 너 그리고 나(NAVILLERA)(Inst.)
Composed & Lyrics & Arranged by 이기, 용배 / Drum Programming 서용배 / Guitar 영, 이기 / Keyboard & Synthesizer 이기 / String Arranged by 권석홍 / Strings Performed by 융스트링 / Mixed by 조씨아저씨 @CUBE Studio
最後は、まさに裏方さん大集合のインストゥルメンタル。
イギ先生がシンセのキーボードをノリノリで弾いていると思うとうきうきします。ヨンベ先生のドラムも軽快。そして、ヨチンの「ヨン様」のエレキギター。
クラシック全開のユングストリングスとの調和もよ〜く聴こえて来ます。
時々聞こえてくる、デビュー曲から継続中の
ユーモラスで可愛い「学校のリコーダー」サウンドで
思わず微笑みつつも、緻密に計算されて構築されている音楽制作の
素晴らしさに、思わず「凄い!!」と唸ってしまいますね。
来日イベントで、
アルバムを購入した日本のファンの方も多いことでしょう。
イベントチケットの付属物としてのCDではなく、
是非とも、この記事を参考に、じっくりと聴きこんでください。
あなたのお気に入りの思い出の曲に必ず出会えることでしょう。
☆次回作への期待

「スクールガール・トリロジー」の後の4作目。
どうなるかと期待と不安に胸躍らせましたが
全てのファンの期待を裏切らない、総合的なアルバムで
大成功となりました。
さあ、次回作はどうなるでしょう。
今度は、冒険をするかもしれません。
個人的には、傑作曲「Rough」の世界を
最大限に発展させた、悲愴感たっぷりで
しかも、本格的なクラシックオーケストレーションを
伴奏にヨチンの世界が存分に展開なんてことになったら
嬉しいですね。
イギ&ヨンベ先生は、再び担当するでしょうか。
AOAの勇敢な兄弟も4曲まででした。
イギ&ヨンベが「さすがにネタ切れ」だから1回休みをくれ
というなら、新しい作曲家でしょう。
でも、「まだまだネタは豊富だ」というなら
どこまでも、燃え尽きるまでヨチンの曲を書いてほしいし。
一方で、才能を開花させているe.oneにも書かせたいし
悩みますね〜〜(笑)
ヨジャチングはいつも期待に応えてくれるので
悩み甲斐もあるというもの。
2016年後半は、日本デビューに時間を割くかと思いきや
どうやら、軽く流す程度の様子。
ならば好ましい傾向です。
ことによると、今年中に、もう一回、
韓国カムバックがある可能性もあります。
イェリンが言った「カムバックをお楽しみに。」の一言に
期待がかかります。
今年の年末にかけても、ヨジャチングから眼が離せません。

と言うわけで、軽く流すつもりが入魂の長文記事となりました。
この記事を書きながら、何度もアルバムを聴きなおし
改めて、細部にわたった作り込みの深さを感じました。
聴けば聴くほど味が出る、これも音源力に持続性のある
ヨジャチングの特徴ですね。
以上、
「Navillera総評 そのA タイトル曲とアルバムについて」でした。
\(^o^)/
次回は
「Navillera総評 そのB 振り付けとステージパフォーマンスについて」です。
(注釈01)
バンド「BOSTON」は、70年代後半から80年代にかけて活躍したアメリカ合衆国のロックバンド。実態はトム・ショルツによるワンマンの多重録音による音楽制作である。
マイク・オールドフィールドもそうですね。
メロディ豊富で、ジャーニーと並んで語られることもある。
(注釈02)
「융」が果たして、韓国人の人名なのか、
それとも心理学者ユングのような欧米人の名前や言葉なのか。
前者ならば「ユンストリング」であり、
後者なら「ユン『グ』ストリング」とすべきですが、
名前の由来がまだ不明なので、西洋好きの私らしく「ユングストリング」としておきます。
現在、検証中。

