2016年10月21日

防弾少年団MV シュガが弾くオルガンの曲名は? K-POPとクラシック音楽

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現在プロモ真っ最中の防弾少年団


방탄소년단 (BTS) ‘피 땀 눈물 (Blood Sweat & Tears)’ MV
MVを見ていて「おっ!!」と思いました。


クラシック音楽が
巧みに使われてますね。

クラシックファンとしては、嬉しくなります。
記事にしないわけにはいきません。

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冒頭の美術館のシーンで流れるのは
JS バッハ作曲「ロ短調ミサ」


Bach - Mass in B minor
いきなり冒頭から来ますよ〜〜
♪キリエ エレイソン(主よ、憐みたまえ)
感動の涙がどっ!!と言う感じで。

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そして、後半にさしかかるところでシュガが弾いている
パイプオルガンの曲は?


ディートリッヒ・ブクステフーデ
(D. Buxtehude)作曲
「パッサカリア ニ短調」

Passacaglia in D Minor
D. Buxtehude - BuxWV 161 - Passacaglia d-moll / D minor

ブクステフーデは北ドイツオルガン学派の巨匠。
偉大なるJSバッハの大先輩。
あえてバッハではなく、ブクステフーデで来たところは
バンタンの演出、渋いなぁ〜と思わずニンマリしてしまいますね。


バッハのパッサカリアは、こちら。

Passacaglia and Fugue in C Minor BWV 582
いやぁ〜 これはリピしまくりでした。

映画では「ゴッドファーザー」ラストの銃撃シーンで出てきました。

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マイケル・コルレオーネの息子の洗礼式と同時進行で印象的でした。
ニーノ・ロータのクラシックのアレンジが上手かったですね。


そして、もう一つ「あっ!!」と思ったのが

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おお〜〜〜〜〜〜!

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出ました!

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サン・ピエトロのピエタ。


ピエタとくれば


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聖母ソウォン!!

久しぶりに行かせてもらいましょう。

K-POPの裏方さんたち、もしかして、このブログ読んでます??
(お馴染み、ブログ主の自意識過剰ギャグでした。)笑

でも、マジで、最近のK-POPとこのブログ、波長が合いまくりですね。


クラシックに彫刻美術と、奥深い愉しみを味わわせてくれるバンタンですが、ティーザー段階から「謎解き」もありました。
これが女性グループやヨジャチングなら
大特集を組んじゃいますけど(笑)
さすがに時間が取れません。

ただ、今回のバンタンの一連の謎解きの中心が、ヘルマン・ヘッセの小説
「デミアン」をネタにしているので、この小説を「虎の巻」にすれば、
印象的な一節を自由に映像化している様が分かって
より面白く鑑賞できるでしょう。
ジンが見ている鏡の上の壁に彫られた言葉はドイツ語で・・・・


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Man muss noch Chaos in sich haben,
um einen tanzenden Stern gebären zu können.


フリードリッヒ・ニーチェ
カオス(混沌)を心に秘めた者こそ、
空に舞う星を生み出すことができる。

「空に舞う星」とは、夢を実現させて、より高く飛んでいる人。
防弾少年団なら、Dancing Starそのもの。
そして小説「デミアン」の「鳥が孵化して外へ出る時、
殻を破るために苦しまなければならない。卵とは世界である。
生まれ出る者は、まず世界を破壊しなければならないのだ。

に通じます。
より分かりやすく言えば「何事にも産みの苦しみ」という物があるんだよ
と言ったところですね。

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ラストシーン。ジンの顔にも卵の殻が破れる時のヒビが入ってきました。

個々の一節を自由に映像化していて、面白いと思います。
ただ、これを「哲学に凝り固まった観念でいじくりまわす」のは
好きではありません。
元々、発売日までファンの興味を引き付けて
売り上げを伸ばすのが目的ですから、
明確な答は初めからないのかもしれません。

私は推理小説よりも、サスペンス映画の方が好きです。
(推理小説を読む時間があったら、
数学パズルを解いているほうが面白いですし。)

そういう意味では、ヨジャチングの「シガヌルダリョソ」のMVのように
1つの隠れたストーリーから全体の謎が解け
感動の涙がどっと出てくる・・・・
そんな映画のような楽しみ方が出来ると
分析記事も書いていて楽しいです。


と言うわけで、今回のバンタンのMVは、クラシック音楽と
自由な映像冒険で、大いに楽しませてくれますね。
哲学はほどほどにして、
バンタンのパフォーマンスを楽しむのも一手。
凝り性の人は、いくらでものめり込めるでしょうけど。



さあ、ここで、他のK-POPに出てくるクラシック音楽
少しばかり特集してみましょう。


悲愴感のK-POPの騎手、Vixxの「Fantasy」

빅스(VIXX) - Fantasy Official M/V
ベートーベンの「月光」を自由に発展させています。

次に、少々B級になりますが、ソロ女性歌手の
ウン・ガウン「Never Say Goodbye」


(episode-156) Eun ga eun (은가은) - Naver say goodbye
元々、これは2006年の韓流ドラマ「My Girl」のOST」です。

ラップ部分のバックは、あまりに有名な
モーツァルトの交響曲40番。
Mozart - Symphony No. 40 in G minor, K. 550

モーツァルトはToppDoggの曲にも出てきました。


[MV] 탑독 (ToppDogg) - TOPDOG
こちらも、お馴染みの交響曲25番です。
Mozart - Symphony No. 25 in G minor, K. 183

これらはラップ部分のバックミュージックということで
それほど洗練されたものとは言えません。

しかし、クラシック音楽を奥深く取り入れた
はるかにハイレベルなK-POPがありました。

レディースコード(レコ)です!!
アルバム「MYSTεRY」の収録曲「Chaconne」
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試聴リンク
もう、聴き初めた途端に感動の涙がどっと溢れますよ〜〜。

前奏のバイオリンソロはJSバッハの
「無伴奏バイオリンのための
パルティータ第2番ニ短調」
の第5楽章(終曲)
その名も Chaconne。
Partita for Violin No. 2 Chaconne
世界のバイオリニストが「人類史上の最高傑作」と絶賛するこの曲。
シャコンヌとは南米はペルーを発祥地とされている舞踊音楽。
スペイン、イタリア、フランス、そしてドイツと伝わり
パッヘルベル、ブクステフーデ、バッハの曲にも取り入れられました。
独特の、「♪♩♪♩♪♩♪♩」というリズムが特徴で、
前奏のバイオリンから、レコの歌唱に移行していく部分が
非常に美しく、心を打ちます。
17世紀のクラシック音楽の心が、21世紀のK-POPに
繋がっていくなんて感動しますね。
今年のレコの曲は、本当にレベルが高いです。
作曲は今を時めく作曲家集団MONOTREEのチュ・テグヮン(추대관)。
いい仕事してますねぇ。
三部作と言うことで、ますます期待です。

そして中盤には、アルゼンチンタンゴのバンドネオンが
渋く絡み、私好みの音楽のオンパレードとなっています。
ピアソラの曲は、クラシックアレンジで好まれて演奏されています。
先日のヨチン記事で紹介した、
ユンストリングのシム・サンウォン(심상원)先生も演奏してますね。


심상원 아름다운 시절 Oblivion


と言うわけで、聴けば聴くほど奥が深い
「K-POPとクラシック音楽」を特集してみました。\(^o^)/



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posted by KYcat at 06:48| Comment(0) | K-POP マニアックな愉しみ
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